2026年9月27日のIBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦で、西田凌佑はサム・グッドマンに0-3の判定で敗れた。
グッドマンは身体の強さを生かして西田へ寄り、近距離で手数を出し続けた。西田が離れて連打を当てても、グッドマンは再び身体を寄せて攻撃の機会を作る。ガードをずらしてフックを打つ細かな技術もあった。筆者の採点は減点を含め111-114でグッドマン。フィジカルと手数が勝敗にどうつながったかを振り返る。
公式結果と筆者の採点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対戦 | 西田凌佑 vs サム・グッドマン |
| 試合 | IBF世界スーパーバンタム級暫定王座決定・12回戦 |
| 公式結果 | グッドマンの判定勝ち(3-0) |
| 公式採点 | 111-114、110-115、109-116(西田-グッドマンの順) |
| 筆者の採点 | 111-114(西田-グッドマン、減点を反映) |
※JBCの採点票で確認。
採点についてはボクシングの採点基準も参照。
8回にグッドマンがバッティング、西田がローブローでそれぞれ1点を減点され、10回に西田が再びローブローで1点を減点された。筆者の採点から減点だけを戻すと、西田113-グッドマン115。採点自体は筆者の見方であり、裁定が妥当だったと主張するものではない。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 小計 | 減点 | 合計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 西田 | 10 | 9 | 9 | 9 | 9 | 10 | 9 | 10 | 10 | 10 | 9 | 9 | 113 | −2 | 111 |
| サム | 9 | 10 | 10 | 10 | 10 | 9 | 10 | 9 | 9 | 9 | 10 | 10 | 115 | −1 | 114 |
※筆者の採点。8回に双方1点、10回に西田がさらに1点減点された。各回の点数には減点を含めず、減点列で反映した。

自己採点で見た前半と終盤
筆者は1回を西田に付けた後、2〜5回をグッドマンに付けた。6回は西田、7回はグッドマン。前半から西田がまったく攻撃できなかったわけではないが、7回終了時の筆者の採点は65-68でグッドマンだった。
8〜10回は西田に付けた。ラウンドごとの攻防だけを足せば、10回終了時に95-95まで取り返している。ただし、この間にグッドマンも1点、西田は計2点を失ったため、減点を反映すると93-94でグッドマンが1点リード。さらに筆者は11、12回をグッドマンに付け、最終的に111-114となった。
これは筆者の採点の流れであり、公式ジャッジの途中経過を示すものではない。8〜10回を西田に付けた理由を各回のパンチ単位で説明できるメモは残っていないため、後から具体的な有効打を作り足すことは避けたい。
JBCの採点票を見ると、筆者が西田に付けた8回は、ジャッジ3人ともグッドマンに付けている。双方が1点ずつ減点された回でもあり、パンチの評価を分けて見る必要がある。10回は逆に3人とも西田、11・12回は3人ともグッドマンを支持した。終盤の評価がすべて同じだったわけではなく、特に8回の見方には筆者との違いがあった。
グッドマンのフィジカルと手数が生んだ接近戦
西田が足を使って距離を取り、4発、5発と攻撃をつなぐ場面は効果的だった。それでもグッドマンは身体を寄せ、頭が触れるような近距離へ何度も運んだ。身体を寄せた状態でも手を止めず、西田がガードを固めて受けながら打ち返す時間を増やした。
序盤の接近戦(Prime Video Sport JPの投稿)
グッドマンのパンチがすべて有効打だったわけではない。ガードに当たったパンチまで得点に加えることはできないが、手数の中にはガードの隙間を捉えるパンチもあった。西田が離れて連打を当てても、グッドマンが身体を寄せて攻撃を続ける。この繰り返しが、筆者の採点をグッドマンに傾けた。
西田が打ち返しても、グッドマンが身体を寄せた位置では同じような連打を出しにくい。グッドマンは一度離れても再び身体を寄せ、接近戦を繰り返した。西田の連打が続かなかった背景には、この押し合いの強さと継続した手数があったと考える。
西田がガードを固めた後にも、時おり抜けてくるパンチがあった。筆者が評価したのは、グッドマンが身体を寄せて手を出し続け、西田の攻撃を短く切りながら、自分のパンチを当てる機会を増やした点だ。
手数の中にあったガード崩し
グッドマンは打つ側と反対の手で西田のガードを払うように動かし、できた隙間へフックを出す場面があった。ただ強く押すだけでなく、相手の守りを動かしてから当てる細かな技術だ。
パンチそのものが速いだけなら、ガードを固めた相手には防がれやすい。守っている手をわずかにずらしてから打てば、その手が本来ふさいでいた通り道にフックを差し込める。グッドマンの連打には、こうしたガードへの働きかけが混じっていた。どのパンチもこの動きから当たったという意味ではないが、手数だけでは見落としやすい攻め方だと思う。
西田は一発で相手の前進を止める展開には持ち込めず、グッドマンの身体の強さと連打を近距離で受ける時間が長くなった。これは西田のパンチ力全般を否定する意味ではなく、この試合の距離と展開についての見方である。
減点を除いても変わらない採点
西田は2点、グッドマンも1点を失った。双方の減点を除いた筆者の採点は113-115でグッドマン。公式の3枚も、双方の減点を機械的に戻すと西田-グッドマンの順に113-115、112-116、111-117で、いずれもグッドマンが上回る。これは点数だけを戻した計算であり、反則がなかった場合の試合展開まで示すものではない。
西田が下がって距離を作った場面では連打が当たった。次戦へ向けては、身体を寄せられても攻撃を続け、連打の後に再び押し込まれない形をどう作るかを見たい。グッドマンの身体の強さ、接近戦での手数、ガードをずらしてフックへつなげた技術が、この試合で筆者の印象に残った。





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