【KADOEBI.6&DANGAN 結果・戦評】齊藤陽二が判定勝ち、大胡晴哉が新王者に

【KADOEBI.6&DANGAN 結果・戦評】齊藤陽二が判定勝ち、大胡晴哉が日本ユース王座獲得

2026年8月21日、後楽園ホールで「KADOEBI.6&DANGAN」が開催された。

メインイベントでは、齊藤陽二が山本ライアンジョシュアとの打ち合いを制して3-0の判定勝ち。セミファイナルの日本ユース・ライト級タイトルマッチでは、大胡晴哉が橋本舞孔に2-0の判定で勝利し、新王者となった。

鳥井士恩は田甫吉駿に3回TKO勝ち。原口秀司vs渡邉卓也、鈴木雅弘vsペピト・マサンカイは、それぞれ引き分けに終わっている。

本記事では、KADOEBI.6&DANGANの全試合を見て感じた試合内容を振り返る。

※以下の戦評は、筆者が今回の試合映像を見て感じた印象です。技術的な評価やラウンドの見方は、見る人によって異なる場合があります。

目次

KADOEBI.6&DANGANの試合結果一覧

契約・試合対戦カード結果
62.5kg契約8回戦山本ライアンジョシュア vs 齊藤陽二齊藤が3-0判定勝ち(77-74、78-73、78-73)
日本ユース・ライト級タイトルマッチ8回戦橋本舞孔 vs 大胡晴哉大胡が2-0判定勝ち(77-75、77-75、76-76)
スーパーライト級8回戦鈴木雅弘 vs ペピト・マサンカイ2回2分10秒、負傷引き分け
60.0kg契約8回戦原口秀司 vs 渡邉卓也引き分け(76-76、76-76、76-76)
バンタム級8回戦鳥井士恩 vs 田甫吉駿鳥井が3回22秒TKO勝ち
スーパーフェザー級8回戦榊野凱斗 vs 宮本陽樹榊野の棄権により中止

齊藤陽二が山本ライアンジョシュアに3-0判定勝ち

62.5kg契約8回戦

山本ライアンジョシュア vs 齊藤陽二
結果:齊藤陽二が3-0判定勝ち(77-74、78-73、78-73)

互いに頭をつけて打ち合う場面が多い試合だった。一発ごとのパンチの重さでは齊藤、手数では山本という違いが見え、その持ち味が正面からぶつかった。

山本は中間距離で左ジャブを連打し、ストレートへつないで齊藤の前進を止めようとする。ただ、齊藤は額付近で受け止める場面も多く、山本のパンチはクリーンヒットまで至らないことが多かった。

一方の齊藤は、接近戦で放つ右ボディーや打ち下ろす右が好印象。時折見せるロングレンジからのワンツーも、見栄えよく山本を捉えていた。

山本で特に印象に残ったのは、4回序盤に見せた左の連打だ。速いジャブを続けながら、時折フックも混ぜて齊藤の前進を止める。大きなダメージを与えるパンチではなかったが、左だけで攻撃に変化をつけられる点には技術の高さを感じた。

6回になると齊藤が圧力を強め、山本をコーナーへ追い込む場面が増えていく。それでも山本の左は終盤まで衰えず、ジャブの連打からフック、ボディーへつなぎ、押し返そうとした。

しかし、齊藤は山本の連打を冷静にブロック。フィジカルとタフネスでも崩れず、重いパンチを返し続けた。山本は押し負けまいと前へ出たが、頭から入る場面もあり、最終回にはバッティングで1点を減点された。

個人的には、山本の左の連打を齊藤が冷静にブロックしたことと、最終回の減点が採点差を広げたポイントだったように感じた。ただし、公式採点は減点を除いても齊藤が上回る内容であり、減点だけが勝敗を決めたわけではない。

齊藤については、山本のジャブを額付近で受けるだけでなく、パーリングしてすぐにジャブを返す場面が増えれば、さらに自分から展開を動かせたのではないか。そうしたリターンから攻撃へつなげられれば、KOへ持ち込める可能性も高まったように思う。

齊藤はこれがプロ初の判定勝ち。2026年3月の日本ライト級王座決定戦で敗れて以来の再起戦を白星で飾った。

大胡晴哉が橋本舞孔に勝利し、日本ユース・ライト級新王者に

日本ユース・ライト級タイトルマッチ8回戦

橋本舞孔 vs 大胡晴哉
結果:大胡晴哉が2-0判定勝ち(77-75、77-75、76-76)

サウスポーの橋本はリードの右手を大きく構え、小刻みにステップを踏みながら懐を深く見せる。対する大胡はどっしりと構え、橋本の動きを見ながら機会をうかがった。

橋本が左ストレートなどで先に狙い、大胡がその打ち終わりに細かいパンチを返す展開。4回終了時の公開採点は39-37で大胡を支持したジャッジが2人、橋本を支持したジャッジが1人だったが、ここまではどちらに流れが転んでもおかしくない接戦に見えた。

試合が明確に動いたのは5回。大胡が攻撃の勢いを強め、深く踏み込むストレートなど、長いパンチを積極的に当てにいく。少しずつヒットを重ね、主導権を引き寄せた。

そのまま大胡の流れが続くかと思われたが、6回後半に山場を作ったのは橋本だった。大胡の手が止まったところで一気に攻め立て、ラウンド終盤の印象を持っていく。橋本自身も手応えがあったのか、ラウンド終了後にはガッツポーズを見せた。

7回も橋本が積極的に距離を詰め、パンチを当てていく。大胡にはやや疲れが見えたようにも感じられた。最終8回も橋本が序盤から仕掛け、手数と勢いで大胡を攻め立てる。大胡も打ち返したが、橋本の攻勢を完全には止められないまま試合終了となった。

後半は橋本が巻き返したものの、結果は大胡の2-0判定勝ち。前半に作ったリードを守った大胡が、無敗のまま日本ユース・ライト級王座を獲得した。

鈴木雅弘vsペピト・マサンカイは偶然のバッティングで負傷引き分け

スーパーライト級8回戦

鈴木雅弘 vs ペピト・マサンカイ
結果:2回2分10秒、負傷引き分け

試合は静かな立ち上がりとなった。サウスポーのペピトに対し、鈴木はジャブと足を使いながら距離を測る。ペピトが入ってきたところを外し、そこから攻撃へ転じようとしていた。

ペピトも頭を振りながら距離を詰めようとするが、鈴木は入ってくるところへジャブを合わせる。身長とリーチで上回る鈴木が、ペピトを簡単には中へ入らせない展開だった。

鈴木はストレートからフック、ボディーへと2発、3発のコンビネーションを返していたが、互いにガードの上を叩く場面が多く、明確なダメージを与えるクリーンヒットは少なかった。

オーソドックスとサウスポーの対戦で、接近した際には頭がぶつかりそうになる場面もあった。2回、偶然のバッティングで鈴木がカット。試合続行不可能となり、負傷引き分けで終了した。

攻防が大きく動く前のストップだっただけに、両者にとって消化不良の結末だった。

原口秀司vs渡邉卓也は三者76-76の引き分け

60.0kg契約8回戦

原口秀司 vs 渡邉卓也
結果:引き分け(76-76、76-76、76-76)

59戦目を迎えた渡邉が落ち着いて待ち受け、原口が先に仕掛ける形で試合が始まった。序盤は互いに慎重で、大きな展開の少ない立ち上がりとなった。

原口は低いガードから左ジャブを積極的に出し、先手を取ろうとしていた。左をさまざまな角度から出すため、パンチの出どころが分かりにくい。一方で、右は振りが大きくなる場面も見られた。

渡邉は基本に忠実な構えから、原口の攻撃をバックステップで外す。2回以降はジャブを強く突き、相手の打ち終わりへフックを合わせるなど、少しずつ攻撃を強めた。

原口は渡邉のジャブを単に受けるのではなく、距離で外したり、右をかぶせたりして対応。守り一辺倒にならず、すぐに打ち返していた点が印象に残った。

接近戦では渡邉の強いパンチが目立つ一方、単発の強打にこだわって力んでいるように見える場面もあった。原口の方がリラックスして手数を出していたが、こちらも明確なダメージにつながるクリーンヒットは多くない。

後半に入っても試合の構図は大きく変わらなかった。原口がジャブと手数で先に仕掛け、渡邉が距離を外しながら強いパンチを返すものの、どちらも明確に流れを引き寄せるまでには至らない。互いに決定的なクリーンヒットが少なく、採点の難しいラウンドが続いた。

最終的な採点は三者とも76-76。公式採点でも両者に差がつかず、引き分けとなった。

鳥井士恩が田甫吉駿に3回TKO勝ち

バンタム級8回戦

鳥井士恩 vs 田甫吉駿
結果:鳥井士恩が3回22秒TKO勝ち

田甫が小刻みにステップを踏んで激しく動く一方、鳥井はどっしりと構え、相手の様子を見ながらジャブから丁寧に組み立てた。

鳥井のジャブは田甫のガードに触れるだけでなく、顔面も捉えていた。早い段階で距離をつかみ、要所でクリーンヒットを当てる。田甫が前へ出ると細かくバックステップし、パンチをぎりぎりで外してすぐに攻撃へ移れる距離を保っていた。

2回も鳥井がジャブで試合をコントロールする。派手なスピードや威力だけに頼るジャブではないが、まっすぐ丁寧に突き、そこからストレートやボディーへつなげていく。

丁寧に試合を進めながら、打ち込む場面では一気にアグレッシブになるのも鳥井の強み。右ボディーから左フックへつなぎ、2回終了間際にダウンを奪った。田甫は立ち上がったものの、ここはゴングに救われる形となった。

3回開始直後、鳥井が左フックを当て、さらにボディーを連打。田甫をコーナーへ詰めてパンチをまとめたところで、レフェリーが試合を止めた。

トリッキーに動く田甫に対し、鳥井がジャブと距離管理で崩し、最後は強い連打で仕留めた。落ち着きと攻撃の切り替えが印象に残るTKO勝ちだった。

榊野凱斗vs宮本陽樹は試合中止

予定されていた榊野凱斗vs宮本陽樹のスーパーフェザー級8回戦は、榊野の棄権により中止となった。

KADOEBI.6&DANGANを振り返って

メインイベントでは、一発の重さを持つ齊藤と、左の手数で対抗する山本が最後まで打ち合った。齊藤は山本の連打を冷静に受け止め、重いパンチを返して再起戦を白星で飾っている。

日本ユース・ライト級タイトルマッチは、前半にリードした大胡と、後半に巻き返した橋本による接戦となった。大胡が前半のポイント差を守り、新王者となったが、終盤の橋本の追い上げも印象に残る試合だった。

鳥井はジャブで試合を組み立て、最後は連打で3回TKO勝ち。原口vs渡邉は三者同点、鈴木vsペピトは偶然のバッティングによる負傷引き分けとなり、全5試合のうち2試合が引き分けという興行になった。

KADOEBI.6&DANGANの試合映像は、ボクシング専門配信サービス「BOXING RAISE」で配信された。

関連記事:DANGAN 2026年7月29日結果・戦評|東日本新人王予選 全9試合

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この記事を書いた人

元A級プロボクサー。26歳のとき、会社員として働きながらダイエットを目的にボクシングを始め、28歳でプロライセンスを取得。29歳でデビューし、37歳を目前に引退した。プロ通算戦績は15戦5勝8敗2分。

本業では、企業オウンドメディアのYouTubeスポーツ番組でディレクターを務める。RING LIVERARYでは、自身のリング経験とコンテンツ制作の知見をもとに、主に後楽園ホールで行われる国内興行の試合結果・戦評や注目選手の解説を発信。結果だけでなく、勝敗を分けたポイントや技術的な見どころまで、元プロの視点から掘り下げています。

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