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ボクシングを始めると、「練習でもボクシングシューズを買った方がいいのか」と迷う人もいると思います。
結論からいうと、ボクシングシューズは試合に向けて用意しておきたい道具ですが、普段の練習すべてで専用品を履く必要はないと私は考えています。
私は現役時代、試合ではボクシングシューズを履いていましたが、日々の練習ではランニングシューズやレスリングシューズも使っていました。
年間に試合が多くても4試合程度なのに対し、練習は年間300日ほど。毎日のように同じシューズを履けば、当然消耗も早くなります。そのため、練習では価格が安く、軽くて動きやすいシューズを選び、試合用と使い分けていました。
この記事では、私が実際に履いてきたシューズの写真と使用経験をもとに、練習用の靴を選ぶポイントを紹介します。
この記事を書いた人

HIDEAKI TAKAGI
元A級プロボクサー。ボクシング歴10年、プロ歴7年半。
会社員として働きながら、26歳のときにダイエット目的でボクシングジムへ入会。未経験から競技を始め、28歳でプロライセンスを取得。
2014年10月、29歳でプロデビューし、初戦から2連勝。その後は勝敗を重ねるなかで6連敗を喫し、ジムを退会して引退。
しかし、35歳で現役復帰。37歳の定年を迎える直前までリングに立ち、通算15戦5勝8敗2分の戦績で現役生活を終えました。
※使用感や選び方は、あくまで私自身の現役時代の経験に基づくものです。足の形、練習環境、ジムの方針によって適したシューズは異なります。
ボクシングの練習に専用シューズは必須ではない
私は、普段の練習で必ずボクシングシューズを履かなければならないとは考えていません。
実際に練習用として重視していたのは、次の5点です。
- 価格が高すぎないこと
- 軽くて動きやすいこと
- メッシュ素材などで汗が乾きやすいこと
- 踏み込みやステップで滑りにくいこと
- 履きたいと思えるデザインであること
ボクシングは、前後左右のステップだけでなく、パンチを打つ動作でも足を使います。踏み込んだときに滑るシューズでは、パンチに力を伝えにくく、動きにも不安が残ります。
そのため、専用品かどうかよりも、軽さや通気性に加えて、床をしっかり捉えられるグリップを重視していました。
ただし、グリップが強ければ何でもよいわけではありません。ボクシングシューズ以外を使用する場合は、リングやジムの床に靴底のゴム跡が残りにくいものを選んだ方がよいです。
商品や靴底に「NON MARKING」または「Non-Marking」と表記されているシューズは、床にゴムの色や擦れ跡を残しにくい仕様です。ただし、すべての商品に表記があるわけではなく、施設ごとに使用条件が異なる場合もあります。判断できない場合は、購入前にジムやメーカーへ確認してください。
実際に使ったシューズと用途
現役時代は、すべての場面で同じ一足を履いていたわけではありません。価格や消耗、試合までの期間などを考えながら、練習用と試合用を分けていました。
試合専用として分けていたボクシングシューズは、普段の練習では履かず、試合の約1か月前からスパーリングを行うときだけ使用していました。これは、すべての人に共通する使い方ではなく、私が現役時代に行っていた履き分けです。
| シューズ | 主な用途 | 実際に使った印象 |
|---|---|---|
| 白と黒のASICS | 練習用 | プロテスト前に初めて購入したシューズ |
| 黒系のASICS・ローカット | 練習・試合兼用 | 練習でも試合でも使用 |
| 黒のASICS・ハイカット | 試合専用 | 試合に向けて使用 |
| DIADORAのランニングシューズ | 練習用 | 軽さと動きやすさを重視 |
| Reebok Boxing Boot CN0977 | 試合専用 | 5〜6試合で使用 |





練習でランニングシューズを使っていた理由
ランニングシューズを練習で使っていた大きな理由は、価格と消耗のバランスです。
試合は年間に多くても4試合ほどでしたが、練習は年間300日ほど行います。練習で毎日履けばシューズは徐々にへたっていくため、試合用のボクシングシューズをすべての練習で消耗させる必要はないと考えていました。
安価で軽く、メッシュ素材で乾きやすいことも、練習用として選びやすかった理由です。デザインも意外に重要でした。毎日使うものなので、格好いいと思えるシューズの方が練習へのモチベーションも上がります。
一方で、ランニングシューズなら何でもボクシングに向いているわけではありません。
私の場合、バックステップした際に、まれにかかとが浮いてシューズが脱げそうになることがありました。前後の動きだけでなく、切り返しや横へのステップを行うため、サイズだけでなく、かかとが浮きにくいかも確認した方がよいと思います。
また、リングやジムの床にゴム跡を残さないことも大切です。「NON MARKING」「Non-Marking」の表記を確認するか、使用できるシューズかをジムに相談してから選びましょう。
ASICS MATCONTROL 3|比較的手を出しやすいレスリングシューズ
現役時代には、ASICSのレスリングシューズを練習と試合の両方で使用していた。ボクシング専用品ではないものの、軽さとグリップ力があり、ステップや踏み込みを行う際にも使いやすかった。
現在購入できる商品のなかでは、ASICSの「MATCONTROL 3」も候補の一つになる。
MATCONTROL 3はレスリング用シューズで、アッパーにはメッシュ素材と人工皮革、アウトソールにはゴム底を採用。屈曲性やグリップ性を意識した構造になっている。レスリング用として販売されている商品だが、ボクシングの練習や試合でレスリングシューズを使用している人もいる。
私自身はMATCONTROL 3を履いたことはないため、このモデル固有の履き心地や耐久性までは評価できない。ただ、現役時代に使用していたASICSのレスリングシューズと用途が近く、価格とサイズが合えば選択肢に入れやすい商品だと思う。
Amazonではサイズや出品者によって価格が異なるため、購入前に現在の価格と在庫を確認してほしい。
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MATCONTROL 3の商品説明では、屈曲性・グリップ性や、中足部の安定性を支える構造などが案内されています。一方、現在のASICS公式ラインナップでは後継のMATCONTROL 4も掲載されているため、MATCONTROL 3はサイズや在庫が限られる可能性があります。ASICS公式レスリングシューズ一覧
Reebok CN0977を試合で5〜6試合使用した感想
試合用として使っていたのが、Reebok Boxing Boot CN0977です。
このシューズを選んだ理由は、細かな機能比較だけではありません。私の好きなフロイド・メイウェザーがリーボックを履いていた姿を見て、自分も履きたいと思ったことが購入のきっかけでした。
実際に5〜6試合で使用しましたが、履きやすさはASICSと大きく変わらないというのが私の印象です。一方、丈夫さについてはASICSの方が上だと感じました。
足首部分にはストラップが付いていますが、私自身はストラップによる大きな違いまでは感じませんでした。そもそも私は、ボクシングシューズの細かな履き心地の差をそれほど気にするタイプではなく、試合で動きにくさがなければ問題ないと考えていました。
現在は同じ型を購入しにくいため、この記事では販売リンクを掲載しません。写真は、実際に使用したシューズの記録として掲載しています。
ボクシングシューズ、レスリングシューズ、ランニングシューズの違い
私の使用経験をもとに整理すると、それぞれの位置づけは次のようになります。
| 種類 | 向いている用途 | メリット | 注意点 |
| ボクシングシューズ | 試合、試合を想定した練習 | リングでの動きを前提に作られている | 練習ですり減らすと買い替えコストがかかる |
| レスリングシューズ | 練習、試合 | ソールが薄く、足を動かしやすい | 商品ごとにフィット感や使用条件の確認が必要 |
| ランニングシューズ | 日々の練習 | 比較的選択肢が多く、軽くて乾きやすい商品を探しやすい | 横の動きやバックステップで、かかとが浮く場合がある |
「どれが一番優れているか」ではなく、用途と予算で使い分けるのが現実的だと思います。
これからボクシングを始める人が、最初から高価なボクシングシューズを買う必要はありません。まずは手元にある運動靴をジムへ持参し、練習に使えるかトレーナーに確認してもよいでしょう。
続けられそうだと感じてからレスリングシューズやボクシングシューズを購入しても、遅くはありません。
試合ではボクシングシューズ以外も使用できるのか
西日本ボクシング協会が掲載しているJBCルール第58条では、試合で使用する靴について「スパイクのない柔らかいもの」と規定されています。
少なくとも掲載されている条文上は、「ボクシング専用シューズでなければならない」とは書かれていません。私自身もレスリングシューズを試合で使用していました。
ただし、実際の試合では検査や大会ごとの確認があります。レスリングシューズや別競技用のシューズを試合で使用したい場合は、自己判断だけで決めず、所属ジムを通じて事前に確認してください。
現在販売されているボクシングシューズを選ぶなら
現在購入できるシューズを探している方に向けて、アシックス、ナイキ、アディダス、Venum、ミズノの5足を用途別に比較しました。
価格だけでなく、グリップやフィット感、デザインなども踏まえて選びたい方は、以下の記事も参考にしてください。
【2026年】ボクシングシューズおすすめ5選|元プロが用途別に比較
練習用シューズを選ぶときのチェックポイント
最後に、私が練習用の靴を選ぶときに確認していたポイントをまとめます。
- 足を動かしやすい軽さか
- 踏み込みや切り返しで滑りにくいか
- かかとが浮いたり脱げたりしないか
- メッシュ素材などで汗が乾きやすいか
- 毎日の練習で消耗しても負担にならない価格か
- リングや床にゴム跡を残しにくいか
- 「NON MARKING」「Non-Marking」の表示があるか
- ジムの床やリングで使用を認められているか
- 練習のモチベーションが上がるデザインか
特に、グリップとノンマーキングは別の観点です。滑りにくくても床に跡を残すシューズはあるため、ボクシングシューズ以外を選ぶときは両方を確認してください。
ボクシングを始める際は、シューズ以外の用品も練習内容に合わせて選ぶ必要があります。ボクシンググローブのオンスと用途、ヘッドギア3種類の違い、マウスピースの選び方もあわせて確認してください。
まとめ|最初から高価な専用品を買う必要はない
ボクシングシューズは、試合や試合を想定した練習では用意しておきたい道具です。ただし、普段の練習すべてで専用品を履く必要はないと私は考えています。
私は現役時代、試合用のボクシングシューズを別に用意し、日々の練習では価格、軽さ、通気性、グリップを重視して、ランニングシューズやレスリングシューズも使っていました。
ただし、ボクシングシューズ以外を使用する場合は、足に合うかだけでなく、リングや床にゴム跡を残さないかも重要です。「NON MARKING」「Non-Marking」の表記を確認し、分からない場合はジムへ相談してください。
初心者であれば、まずは今ある運動靴をジムで確認してもらい、練習を続けるなかで必要性を感じてから専用シューズを購入してもよいと思います。


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