【2026年西日本新人王決勝 結果】髙橋歩夢がMVP|全12階級を振り返る

【2026年西日本新人王決勝 結果】髙橋歩夢がMVP|全12階級を振り返る

2026年度西日本新人王決勝が9月13日、大阪・堺市産業振興センターで行われた。

フェザー級は大原英斗(MR)の棄権により中止となり、実施されたのは11試合。不戦勝となった小谷瑠音(黒潮)を含む12人が、西日本新人王に決まった。

大会MVPは、フライ級決勝を3-0の判定で制した17歳の髙橋歩夢(森岡)。技能賞はスーパーバンタム級の髙岡賢伸(グリーンツダ)、敢闘賞はバンタム級の柳生義宗(黒潮)が受賞している。

この記事では全12階級の結果を整理したうえで、決勝前に準決勝映像から注目していた選手の特徴や、勝敗のポイントを振り返る。

本文中の技術的な特徴は、準決勝映像で確認した内容をもとに記している。

9月14日更新
9月13日に行われた決勝の全結果、採点、終了時間、大会三賞を追記。試合前の展望記事から、結果と事前分析をまとめた記事へ更新した。

目次

2026年西日本新人王決勝の開催概要

項目内容
開催日2026年9月13日(日)
会場堺市産業振興センター
所在地大阪府堺市北区長曽根町183-5
開始時刻11:00
主催西日本ボクシング協会
実施試合数11試合
配信BOXING RAISEでアーカイブ配信

西日本新人王になった選手は、全日本新人王決定戦へ直行するわけではない。次は西軍代表決定戦を勝ち抜き、西軍代表になる必要がある。

新人王の地区区分や優勢点、全日本新人王までの流れは「新人王トーナメントとは?仕組み・優勢点・全日本新人王の特典を元A級ボクサーが解説」で詳しくまとめている。

2026年西日本新人王決勝の全結果

階級西日本新人王決勝結果対戦相手
ミニマム級小原徳武(JM加古川)4回判定2-1(39-37小原×2、39-37北村)北村三稀(ヨシヤマ)
ライトフライ級築山陽向(森岡)4回判定3-0(40-36、39-37×2)西野慧吾(六島)
フライ級髙橋歩夢(森岡)4回判定3-0森晴嵐(井岡弘樹)
スーパーフライ級髙橋侑真(森岡)4回判定3-0(40-36×2、39-37)梅野虎志(真正)
バンタム級柳生義宗(黒潮)4回判定2-0(39-37×2、38-38)松川翔真(森岡)
スーパーバンタム級髙岡賢伸(グリーンツダ)1回2分40秒KO森祐斗(川端)
フェザー級小谷瑠音(黒潮)不戦勝大原英斗(MR)が棄権
スーパーフェザー級原大空(匠)4回1分51秒TKO松本春輝(BMB)
ライト級吉田心(石田)3回2分02秒TKO平野寿樹(大阪帝拳)
スーパーライト級秋山彰吾(姫路木下)4回判定2-0(39-37×2、38-38)照井颯(大阪帝拳)
ウェルター級中川徳臣(フュチュール)1回1分30秒TKO尾沼椋耶(グリーンツダ)
ミドル級大島剣真(フュチュール)3回36秒TKO中井田真人(白鷺)

※髙橋歩夢vs森晴嵐は3-0判定。採点内訳は40-36の1者分のみ判明しているため、表には記載していない。

MVPは17歳の髙橋歩夢

大会MVPに選ばれたのは、フライ級の髙橋歩夢。森晴嵐との決勝を3-0の判定で制し、17歳で西日本新人王とMVPを獲得した。

プロデビュー戦となった準決勝は、1回1分10秒TKO勝ち。準決勝映像では、ハンドスピードとステップインの速さ、相手のジャブに頭を外しながら踏み込む動きが印象に残った。

決勝前からフライ級の優勝候補の一人と見ていたが、西日本新人王だけでなく大会MVPという評価も得る結果となった。

技能賞は髙岡賢伸、敢闘賞は柳生義宗

大会三賞は次の3選手が受賞した。

賞選手階級・決勝結果
MVP髙橋歩夢(森岡)フライ級・4回判定3-0
技能賞髙岡賢伸(グリーンツダ)スーパーバンタム級・1回2分40秒KO
敢闘賞柳生義宗(黒潮)バンタム級・4回判定2-0

髙岡は初回KOで西日本新人王を獲得。柳生は前年に続いて進んだ西日本新人王決勝で、松川翔真との接戦を制した。

事前に注目していた5試合の結果

決勝前の記事では、全11試合のうち5試合を特に注目カードとして挙げていた。

注目カード結果
森晴嵐 vs 髙橋歩夢髙橋が4回判定3-0で勝利
照井颯 vs 秋山彰吾秋山が4回判定2-0で勝利
平野寿樹 vs 吉田心吉田が3回2分02秒TKO勝利
西野慧吾 vs 築山陽向築山が4回判定3-0で勝利
大島剣真 vs 中井田真人大島が3回36秒TKO勝利

5試合の内訳は、判定決着が3試合、ストップ決着が2試合。髙橋、秋山、築山が判定で、大島と吉田が準決勝に続くストップ勝ちで西日本新人王を獲得した。

全12階級の結果と試合前に注目していたポイント

ここからは各階級の結果と、準決勝映像や公開戦績から決勝前に注目していたポイントを振り返る。

ミニマム級|小原徳武が2-1判定勝ち

小原徳武が北村三稀を2-1の判定で下し、西日本新人王を獲得。採点は39-37が3者で、小原を支持したジャッジが2人、北村を支持したジャッジが1人だった。

小原は2025年度にも西日本新人王決勝を経験しており、前年に届かなかったタイトルを再挑戦でつかんだ。北村も決勝前の時点でプロ6試合を経験しており、単純な経験者と新人という構図ではなかった。

4回戦は一つのダウンだけでなく、競ったラウンドの終盤や手数の印象が採点を左右する。3者とも39-37ながら支持が分かれ、接戦を小原が制した。

ライトフライ級|築山陽向が3-0判定勝ち

築山陽向が西野慧吾に40-36、39-37、39-37の3-0判定勝ち。準決勝で対照的な勝ち上がり方を見せた2人の対戦は、築山が制した。

準決勝の西野は、相手が入る瞬間に合わせたショートの右でダウンを奪い、接近戦では左ボディ、アッパー、フック、ストレートを打ち分けていた。低い姿勢で潜り込む相手に右アッパーを合わせ、左手で相手の身体を回して位置を入れ替える細かな技術も印象に残った。

一方の築山は、細かなステップと速いジャブが軸。遠い位置から踏み込んでポイントを拾い、すぐに離れるアウトボクシングを徹底していた。前の左を上下に動かして相手の反応を引き出し、4回を通して足を止めない運動量も大きな武器に見えた。

決勝前に見ていた焦点は、西野が接近戦へ持ち込んで多彩なパンチを当てるのか、築山が出入りの速さでその距離に付き合わないのか。結果は築山が3者の支持を得て西日本新人王を獲得した。

フライ級|髙橋歩夢が3-0判定勝ちでMVP

髙橋歩夢が森晴嵐を3-0の判定で下し、西日本新人王を獲得。大会MVPにも選ばれた。

森は準決勝を1回2分07秒TKO、髙橋はプロデビュー戦を1回1分10秒TKOで突破。両者とも短時間で決着をつけ、攻撃面の決定力を見せて決勝へ進んだ。

準決勝の森は、遠い位置から鋭く踏み込むジャブとワンツーで相手を後退させていた。ジャブから右ストレートを見せた後、アッパーへ変化させてフィニッシュ。相手の意識を読み、パンチを選ぶ判断力が表れた組み立てだった。一方で、接近戦では被弾する場面もあり、距離を潰された際の対応を決勝の焦点に挙げていた。

髙橋は、相手のジャブに対して頭を沈め、パンチの軌道から外れながら踏み込む。そこから複数のパンチを返すスピードが目を引いた。距離が離れれば小刻みにステップを踏み、ジャブから丁寧に組み立てる。いいパンチを当てた後、一気に連打へつなげる判断も速かった。

準決勝は1分10秒で終わったが、決勝では4回を戦い抜いて3-0判定勝ち。早い回のストップだけでなく、判定でも結果を残した。

スーパーフライ級|髙橋侑真が3-0判定勝ち

髙橋侑真が梅野虎志に40-36、40-36、39-37の3-0判定勝ち。弟の歩夢とそろって西日本新人王になった。

19歳同士となった決勝。梅野はプロ2戦2勝、髙橋はJCLでの経験があり、準決勝でも4回を戦って明確な判定勝ちを収めていた。

ともに若いが、積んできた経験の種類は同じではない。4回戦の中で、どちらが先に自分の距離とテンポを作るかに注目していたカードは、髙橋が3者支持で制した。

バンタム級|柳生義宗が2-0判定勝ち

柳生義宗が松川翔真に39-37、39-37、38-38の2-0判定勝ち。西日本新人王を獲得し、大会敢闘賞にも選ばれた。

柳生は前年の西日本新人王決勝を経験。対する松川はJCL全国大会を3度制していたが、プロでは2試合連続で引き分けとなっていた。

松川のJCLでの実績は目を引く一方、プロ4回戦では有効打だけでなく、前進や手数、ラウンド終盤の攻防も採点の印象を左右する。柳生がプロのリングで積んだ経験を結果につなげた形となった。

スーパーバンタム級|髙岡賢伸が初回KOで技能賞

髙岡賢伸が森祐斗を1回2分40秒でKO。西日本新人王と技能賞を獲得した。

髙岡は決勝前の時点で4戦4勝3KOのサウスポー。準決勝でも3者とも40-36の判定で勝利していた。一方の森は、準決勝が対戦相手の棄権で中止となり、試合を行わず決勝へ進んでいた。

結果は髙岡の初回KO。無敗を維持し、5勝のうち4勝がKOとなった。

フェザー級|小谷瑠音が不戦勝

フェザー級は大原英斗vs小谷瑠音が予定されていたが、大原が怪我のため棄権。試合は中止となり、小谷が不戦勝で西日本新人王になった。

スーパーフェザー級|原大空が4回TKO勝ち

原大空が松本春輝に4回1分51秒TKO勝ち。最終回に試合を止め、西日本新人王を獲得した。

松本はプロデビュー戦だった準決勝を、39-37、39-37、40-36の判定で突破。原は決勝前の時点で3戦3勝2KOと、プロで無敗を維持していた。

松本がアマチュア経験をプロ4回戦でどう表現するのか、原がこれまで示してきた決定力を発揮できるのかに注目していた一戦。結果として、原が4回にストップを奪った。

ライト級|吉田心が3回TKO勝ち

吉田心が平野寿樹に3回2分02秒TKO勝ち。準決勝に続くストップ勝ちで西日本新人王を獲得した。

平野はプロデビュー戦だった準決勝を1回2分59秒KO。オーソドックスから鋭いジャブを放ち、コンパクトなパンチで組み立てていた。KOにつながった右ストレートも、初動の速いジャブを意識させたからこそ通った一撃に見えた。

吉田もアマチュアとジュニアでの経験を持つオーソドックス。フェイントを交えた駆け引きと長いジャブが効果的で、ハンドスピードも速い。準決勝でダウンを奪ったのは、入ってきた相手へバックステップからノーモーションで合わせた右ストレートだった。

ダウン後も深追いせず、ジャブ、右ボディ、アッパーを使いながら相手の動きを見て仕留めた冷静さも印象に残った。決勝前はジャブの質と距離の駆け引きをポイントに挙げていたが、結果は吉田が再びストップ勝ちを収めた。

スーパーライト級|秋山彰吾が2-0判定勝ち

秋山彰吾が照井颯に39-37、39-37、38-38の2-0判定勝ち。17歳の照井と28歳の秋山による11歳差の決勝は、秋山が制した。

準決勝の照井は、ゴング直後から仕掛ける積極性を見せ、ジャブとボディジャブで上下を散らしていた。ストレートの後にウィービングを入れるなど、攻撃後の守備にも意識が見える。一方で、左右のフックが大きくなり、接近戦で使うパンチの種類が限られる場面もあった。

秋山は前の左を丁寧に使い、自分の距離を作る長身のオーソドックス。遠い位置からの左ボディと、中間距離で打つ右ストレートが注目したいパンチだった。準決勝では右フックでダウンを奪ったものの、ダウン後に攻め切れず、後半に運動量が落ちた点は課題に挙げていた。

照井が若さと手数で主導権を握るのか、秋山が左で位置を管理して右へつなげるのか。判定は秋山を支持したジャッジが2人、引き分けが1人となった。

ウェルター級|中川徳臣が初回TKO勝ち

中川徳臣が尾沼椋耶を1回1分30秒でTKO。西日本新人王を獲得した。

中川は決勝前の時点で2戦2勝2KO。尾沼も準決勝で2度のダウンを奪い、4回48秒TKOで決勝へ進んでいた。どちらの攻撃力が先に試合を動かすかに注目していた一戦は、中川が初回で決着をつけた。

ミドル級|大島剣真が3回TKO勝ち

大島剣真が中井田真人に3回36秒TKO勝ち。準決勝の判定勝ちに続いて結果を残し、西日本新人王となった。

準決勝の大島は、相手の動きを見ながら落ち着いて試合を進めていた。単発のジャブがよく、相手が入ってきたところへ下がりながらストレートやフックを合わせる。ここぞという場面でパンチをまとめられる一方、打ち終わりに頭が正面へ残り、相打ちを受ける場面も見られた。

中井田は2018年度西日本新人王のサウスポー。低い位置に置いた左からボディアッパーを差し込み、接近戦では細かなパンチを使う。ジャブで上半身から突っ込んだ際に顎が上がりやすく、パンチに身体を振られる場面は気になった。

大島がカウンターと連打を当てるのか、中井田がサウスポーからボディと接近戦で崩すのかを見どころに挙げていたカード。結果は大島が3回にストップを奪った。

西日本新人王12人は西軍代表決定戦へ

今回決まった西日本新人王は、9月20日に行われる西部日本新人王と中日本新人王の対抗戦の勝者と、11月7日に堺市産業振興センターで予定されている西軍代表決定戦で対戦する。

そこで勝った選手が西軍代表となり、12月に後楽園ホールで予定される全日本新人王決定戦へ進む。

西日本新人王の獲得は一つの節目。ただし、全日本新人王になるまでには、もう一つ勝たなければならない試合が残っている。

西日本新人王決勝はBOXING RAISEでアーカイブ配信

西日本新人王決勝は、BOXING RAISEでアーカイブ配信されている。

配信ページは「BOXING RAISE|西日本新人王決勝戦」から確認できる。

まとめ|髙橋歩夢がMVP、12人が次の戦いへ

2026年度西日本新人王決勝では11試合が行われ、不戦勝のフェザー級を含む12階級の新人王が決まった。

MVPは髙橋歩夢、技能賞は髙岡賢伸、敢闘賞は柳生義宗。特に髙橋は17歳で西日本新人王と大会MVPを獲得した。

今回の勝者が次に挑むのは西軍代表決定戦。全日本新人王決定戦へ進む選手が誰になるのか、引き続き追っていきたい。

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この記事を書いた人

元A級プロボクサー。26歳のとき、会社員として働きながらダイエットを目的にボクシングを始め、28歳でプロライセンスを取得。29歳でデビューし、37歳を目前に引退した。プロ通算戦績は15戦5勝8敗2分。

本業では、企業オウンドメディアのYouTubeスポーツ番組でディレクターを務める。RING LIVERARYでは、自身のリング経験とコンテンツ制作の知見をもとに、主に後楽園ホールで行われる国内興行の試合結果・戦評や注目選手の解説を発信。結果だけでなく、勝敗を分けたポイントや技術的な見どころまで、元プロの視点から掘り下げています。

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