【2026東日本新人王準決勝 9/17結果・戦評】佐藤竜冴が初回TKO、竹内凰騎は接戦制す

【2026東日本新人王準決勝 9/17結果・戦評】

2026年9月17日、後楽園ホールで東日本新人王準決勝の初日が行われた。実施された10試合をBOXING RAISEで視聴。試合結果を一覧にしたうえで、決勝進出者が何を武器に勝ち上がったかを振り返る。

この日は佐藤竜冴が久我柊生を初回TKOで破り、竹内凰騎は五百久大との激しい打ち合いを判定で制した。準々決勝から追ってきた関純輝には、本来の足とジャブを使ったボクシングが戻った印象を受けた。その姿も記しておきたい。

試合前に注目していた技術や組み合わせは、2026年東日本新人王準決勝・全カード展望で紹介している。

目次

9月17日・東日本新人王準決勝の全試合結果

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試合階級対戦カード結果
第1試合ミニマム級関純輝 vs 本田優貴関が判定3-0(39-37×3)
第2試合ライトフライ級児島義輝 vs 谷津陽之児島が3回1分28秒TKO勝ち
第3試合フライ級柳田優希 vs トメ・マルチネス柳田が判定2-0(39-37×2、38-38)
第4試合スーパーフライ級久我柊生 vs 佐藤竜冴佐藤が1回1分57秒TKO勝ち
第5試合バンタム級布元寿弥 vs 小上晟陽布元が判定3-0(38-37×3)
第6試合フェザー級一寿希ケケ vs 高木ギッティチャイ達也ケケが判定2-0(39-37、40-36、38-38)
第7試合スーパーフェザー級蛯名創魅 vs 鈴木晴人蛯名が3回2分20秒TKO勝ち
第8試合スーパーライト級・5回戦竹内凰騎 vs 五百久大竹内が判定3-0(48-47×2、49-46)
第9試合ウェルター級ケイスケ・ムラタ vs カドカ・ダルシャンカドカが判定2-1(38-37カドカ、39-36カドカ、38-37ムラタ)
第10試合ミドル級オビー・コジマ vs 岡村弥徳岡村が判定3-0(39-34×3)

スーパーバンタム級の光吉未来vs小林蓮は、光吉の棄権により中止。ライト級の國井大和vs松永敦朗も國井の棄権により中止となり、実施試合は10試合だった。JBCの当日組合せにも両試合の中止が記載されている。

関純輝vs本田優貴|本来の足とジャブが戻った

結果:関純輝が39-37×3の判定3-0で勝利。

前戦では足が止まった場面の被弾が気になった関。この日は上体を振りながら小刻みに動き、早い段階でジャブを当てて距離をつかんだ。ワンツーで終わらず、最後にもう一度ジャブを置く。顔面への直線的なパンチが通ったことで、ボディへの攻撃も生きた。

本田が距離を詰めても、ガードを固めてその場に残らない。足で離れ、追ってくるところへジャブやストレートを返す。近距離でも2、3発目にリターンを挟み、本田の攻撃を続けさせなかった。特に3回は上体の動きと距離の取り直しがかみ合い、本田のパンチを空転させる場面が目立った。

前戦との違いは、接近されたときに足とリターンで流れを切れたこと。新しいスタイルに変わったというより、本来の関らしい距離の支配が戻った印象だった。

児島義輝vs谷津陽之|ジャブの圧力からTKOへ

結果:児島義輝が3回1分28秒TKO勝ち。

谷津も長いジャブと手数で対抗したが、児島は踏み込んだジャブとボディジャブを起点に、上下へパンチを散らした。ジャブで押されると谷津は距離を取り直しにくくなり、児島のワンツーが顔面を捉え始める。

3回、右フックで谷津をぐらつかせ、追撃からダウンを奪取。再開後も谷津は手を返したが、児島のワンツーを受けて後退したところでレフェリーが止めた。大きく跳び込むのではなく、一歩の踏み込みと基本的な連係で圧力をかけ続けた勝利だった。

柳田優希vsトメ・マルチネス|距離を渡さなかった4回

結果:柳田優希が39-37×2、38-38の判定2-0で勝利。筆者の採点は40-36で柳田。

長身サウスポーの柳田が、遠い位置からジャブと左ストレートを通す。トメが入れば右手で位置をずらし、あるいは左アッパーで迎撃した。後半にトメが圧力を強めても、柳田は打ち合いに付き合わず、距離が詰まればクリンチで流れを切る。

トメは最後まで入り口を探したが、近距離を継続して作れなかった。倒しに行くより先に、相手の得意な距離へ入らせない。柳田は4回を通してその方針を崩さず、決勝への切符を取った。

佐藤竜冴vs久我柊生|左ボディーから始まった初回決着

結果:佐藤竜冴が1回1分57秒TKO勝ち。

開始から両者が積極的に手を出した。佐藤はガードを固めて久我の攻撃を受け止め、自分の攻撃では左ボディーから顔面へのフックを連ねる。最初のダウンも、この上下の打ち分けから生まれた。

再開後は勢いに任せず、相手を見ながら再びボディーからフック、ストレートへつないだ。最後は右ストレートで仕留める。パンチの強さに加え、ダウン後も狙いを散らして攻め切った冷静さが印象に残った。

布元寿弥vs小上晟陽|迎撃と組み際の攻防

結果:布元寿弥が38-37×3の判定3-0で勝利。

サウスポーの布元は、踏み込む小上へ距離に応じてパンチを変えた。中途半端な位置には左ストレート、重心を低くして入ってくる場面には左アッパー。足を使って懐へ簡単に入らせない戦い方は、試合前に注目していた前手と迎撃の強みにつながる。

一方、小上も近距離で激しく組み合い、クリンチをほどこうとする場面では布元が倒れることもあった。会場からは不満の声も上がったが、個々の動作の反則該当性はレフェリーの判断による。布元にとっても、ブレークがかかるまでは姿勢と位置を保つ必要がある。採点差は小さく、布元の迎撃が試された一戦だった。

一寿希ケケvs高木ギッティチャイ達也|攻勢が分けた判定

結果:一寿希ケケが39-37、40-36、38-38の判定2-0で勝利。

大きく流れが変わる場面の少ない4回だった。高木は足を使い、コンパクトなパンチを細かく返す。ケケも簡単には距離を詰められなかったが、前へ出て先に攻撃を仕掛け続けた。

3者の採点はフルマークから引き分けまで割れた。ケケの積極性を見るか、高木の細かな有効打をどう評価するかで印象が変わる試合だった。

蛯名創魅vs鈴木晴人|飛び込みに合わせたカウンター

結果:蛯名創魅が3回2分20秒TKO勝ち。

初回、鈴木が飛び込んだところへ蛯名のフックが重なり、倒れた場面は最終的にスリップと判定された。筆者には有効打によるダウンにも見えたが、公式の裁定はスリップ。互いに決定的なパンチを許さず、試合は進む。

3回、再び鈴木の入り際へ蛯名がフックを合わせ、今度はダウンを奪った。最後も鈴木が攻撃を仕掛けた瞬間にカウンターを決めて倒し、鈴木が立ち上がったところでレフェリーがストップ。鈴木が前へ出るタイミングに、蛯名の狙いが繰り返し合った。

試合前は鈴木の勝ち上がりを予想していた。結果を変えたのは、蛯名が相手の飛び込みを捉えたカウンターの精度だった。

竹内凰騎vs五百久大|右ストレートを通し続けた5回戦

結果:竹内凰騎が48-47×2、49-46の判定3-0で勝利。

試合前に挙げていた焦点は、竹内の右ストレートを五百久がどう防ぐか。実戦では竹内が中間距離から右を何度も顔面へ通し、五百久は被弾しながらも手を返した。距離が縮まると、五百久の連打とパンチの回転力が光る。両者とも退かず、今日の興行で最も激しい打ち合いになった。

五百久のパンチには重さがあり、竹内が危ないと感じる場面もあった。ただ、竹内は自分の右を最後まで当て続けた。判定を分けたのは、そこで積み重ねた明確な有効打だったと見る。

五百久は敗れたが、近距離での攻撃力は強く印象に残る。一方で竹内の右を繰り返し受けたことは、次戦へ向けた課題になる。準々決勝から追ってきた2人だけに、この先の試合も見たい。

カドカ・ダルシャンvsケイスケ・ムラタ|2回のダウンが接戦を動かす

結果:カドカ・ダルシャンが判定2-1で勝利。採点は38-37、39-36でカドカ、38-37でムラタ。

独特のステップから手数を出すカドカと、単発でも狙いを定めて打つムラタ。2回にカドカが素早いワンツーでダウンを奪い、試合の流れを動かした。

ムラタは最終4回に自分から前へ出て、有効打を取り返そうとする。カドカは足で距離を取りながら応じ、判定は2対1。ムラタにも評価が集まる接戦だったが、2回のダウンが大きかった。

岡村弥徳vsオビー・コジマ|猛攻をしのぎ3度のダウン

結果:岡村弥徳が39-34×3の判定3-0で勝利。

オビーが強いパンチを振って前へ出ると、岡村はコンパクトな左フックを合わせて最初のダウンを奪う。再開後も前へ出るオビーの大きな振りに対し、コーナーから打ち返した右ストレートで2度目のダウン。2回にもカウンターで3度目を奪った。

序盤から攻めたオビーは、2回の途中から手が減り、岡村のジャブを受ける場面が増えた。岡村は押し込まれても慌てず、相手が大きく打つ瞬間を見て短いパンチを返した。前戦で流れを立て直した岡村の対応力が、この試合でも出ていた。

初日の10試合を見て|試合前の見立てはどう変わったか

特に印象に残ったのは、本来の関らしい距離の支配と蛯名のカウンターだ。関は前戦で気になった接近戦でも、足で離れるか、その場で打ち返すかを選べていた。蛯名は、勝ち上がりを予想した鈴木の飛び込みに合わせ、予想を覆した。

竹内vs五百久では、事前に注目した竹内の右ストレートが実際に勝敗を分ける武器になった。一方で、五百久の近距離での強さは、結果だけでは伝わらない。勝った選手だけでなく、敗れた選手の次戦も追いたくなる準決勝だった。

9月18日には準決勝2日目が行われる。初日の勝者と翌日の勝者が決勝でどうぶつかるか、組み合わせが揃ってから改めて考えたい。
9月18日の準決勝結果・戦評はこちら

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この記事を書いた人

元A級プロボクサー。26歳のとき、会社員として働きながらダイエットを目的にボクシングを始め、28歳でプロライセンスを取得。29歳でデビューし、37歳を目前に引退した。プロ通算戦績は15戦5勝8敗2分。

本業では、企業オウンドメディアのYouTubeスポーツ番組でディレクターを務める。RING LIVERARYでは、自身のリング経験とコンテンツ制作の知見をもとに、主に後楽園ホールで行われる国内興行の試合結果・戦評や注目選手の解説を発信。結果だけでなく、勝敗を分けたポイントや技術的な見どころまで、元プロの視点から掘り下げています。

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