【小國以載vsサンティシマ】再び世界へ、8.16世界前哨戦を展望

小國以載vsアレックス・サンティシマJr. 2026年8月16日世界前哨戦のアイキャッチ

2026年8月16日、後楽園ホールで開催される「TREASURE BOXING PROMOTION 14」。

メインイベントでは、元IBF世界スーパーバンタム級王者・小國以載(角海老宝石)が、フィリピンのアレックス・サンティシマ・ジュニアとスーパーバンタム級10回戦で対戦する。

小國は4月、元WBA・IBF世界スーパーバンタム級統一王者マーロン・タパレスに判定勝ち。世界ランキングへ返り咲き、再び世界戦線へ戻ってきた。

38歳となった元世界王者が、もう一度世界へ進めるか。

ただ、今回の相手サンティシマも13勝7KO2敗。直近の試合を1R KOで勝利している。

小國にとって、再び世界タイトルへつなげるための重要な世界前哨戦。

本人も「負けたら終わり、勝てば世界」と語っている。

38歳の元世界王者が、もう一度世界へ進めるか。8月16日の世界前哨戦を展望する。

目次

小國以載vsアレックス・サンティシマ|試合概要

スーパーバンタム級10回戦

小國以載(角海老宝石)
31戦24勝(9KO)4敗3分
元IBF世界スーパーバンタム級王者
WBO世界スーパーバンタム級6位
WBA同級11位
WBC同級13位

vs

アレックス・サンティシマ(フィリピン)
15戦13勝(7KO)2敗
26歳

開催日: 2026年8月16日(日)
会場: 後楽園ホール
大会開始: 17:45
配信: U-NEXT

小國は前戦のタパレス戦に勝利したことで世界ランキングへ復帰。現在はWBO6位を筆頭に世界上位へ位置している。

U-NEXTでも今回の一戦は「世界前哨戦」と位置づけられている。

豊嶋亮太vs緑川創など、同大会で行われる国内4試合の展望はこちら。


4月、タパレス撃破で再び世界戦線へ

今回のサンティシマ戦を考えるうえで外せないのが、2026年4月3日のマーロン・タパレス戦だ。

タパレスは元WBA・IBF世界スーパーバンタム級統一王者。

2023年には井上尚弥と4団体統一戦を戦った、世界トップクラスの実績を持つ選手だ。

そのタパレスを相手に、小國は中盤以降ボディへの攻撃を増やし、7Rには右ボディストレートを効かせるなど試合を優位に進め、3-0の判定勝利を収めた。

当時、小國は世界ランキング圏外。

対するタパレスは世界上位にいた。

つまり小國にとっては、負ければ世界への道が大きく遠のく一方、勝てば一気に世界戦線へ戻れる試合だった。

そこで勝った。

この結果によって世界ランキングへ復帰し、今回の世界前哨戦につながっている。


小國以載の強さは「独特なリズム」と距離感

個人的に小國のボクシングを見ていて感じるのは、基本に忠実でありながら、どこかリズムが独特だということだ。

特別にハンドスピードが速く見えるわけではない。

圧倒的なフィジカルで相手を押し潰すタイプでもない。

それでも、独特なリズムから出すジャブと抜群の距離感で、自分のボクシングへ相手を引き込んでいく。

そして、小國という選手を面白くしているのが見た目以上の決定力だと思う。

一見すると、パンチ力が特段ありそうには見えない。

それでも世界王座を獲得したジョナサン・グスマン戦ではボディでダウンを奪っている。

そして今年4月のタパレス戦でも、右ボディストレートを効かせて試合の流れを引き寄せた。

単純な腕力ではない。

距離、タイミング、全身の連動、そして相手の意識から外れたところへパンチを届ける。

こうした部分に、小國の「効かせる力」があるように感じる。

「パンチ力=筋肉」は間違い?元A級ボクサーが物理学で解説


一方で「パワープレー」に付き合う危うさもある

もちろん、小國がどんな相手にも自分のボクシングを貫けるわけではない。

個人的に気になるのが、相手のフィジカルやパワーに対して正面から勝負してしまったときだ。

ンギーチュンバ戦や村田昴戦では、そうした展開の中で小國の良さを出し切れない場面もあった。

特に2025年5月の村田戦では6R TKO負け。

それでも、その敗戦から約11か月後にタパレスを破り、再び世界ランキングへ戻ってきた。

ここが小國という選手の面白いところでもある。

独特なリズムと距離感で、自分より評価の高かった相手を攻略してしまう試合がある。

その一方で、相手の土俵に付き合って苦しい展開になることもある。

良くも悪くも、何が起こるのか見たくなる選手だ。


サンティシマの若さと決定力をどう封じるか

そして今回、小國と対戦するアレックス・サンティシマ。

15戦13勝(7KO)2敗の26歳。

小國とは12歳差になる。

注目したいのは直近の試合だ。

サンティシマは2026年6月、元WBOアジアパシフィック王者リチャード・プミクピックを1R KO

右ストレートと左ボディに決定力を持ち、一瞬で試合を動かせるタイプと評されている。

小國にとって厄介なのは、この若さと決定力だろう。

小國が得意とする距離でジャブを突き、独特のリズムでサンティシマをコントロールできれば、自分の展開へ持ち込める可能性はある。

しかし、距離を潰されてパワー勝負になれば話は変わってくる。

サンティシマの強打を正面から受けるような展開は避けたい。

小國が自分の距離で戦えるか。

個人的には、ここを一番のポイントとして見ている。


38歳の小國にとって「内容」も重要な一戦

小國は現在38歳。

若い選手と同じように、「今回負けても数年かけてランキングを上げ直せばいい」とは言いにくいキャリアになっている。

だからこそ、サンティシマ戦では勝利が最優先になる。

ただし、今回はそれだけではないかもしれない。

興行を主催するTREASURE BOXING PROMOTIONの伊藤雅雪代表からは、小國の世界戦について年末の動きを示唆する発言も出ている。

もちろん、現時点で世界戦が決定しているわけではない。

それでも世界ランキング上位にいる現在の状況を考えれば、

「勝つこと」だけでなく「世界を期待させる内容を見せられるか」

も重要になってくる。

サンティシマを明確に攻略できれば、その先の話はさらに現実味を帯びてくる。


元世界王者ではなく「2026年の小國以載」を見たい

小國にはどうしても「元IBF世界スーパーバンタム級王者」という肩書きが付く。

2016年12月31日、ジョナサン・グスマンを破って世界王座を獲得。

あれから約10年になる。

ただ、今回見たいのは2016年の小國ではない。

2026年現在の小國以載が、世界で戦える力をまだ持っているのか。

村田昴に敗れた。

それでもタパレスを破った。

そして世界ランキングへ戻ってきた。

次に待っているのがサンティシマだ。

小國が得意とする独特のリズムとジャブ、距離感で若い相手をコントロールするのか。

それともサンティシマのパワーが試合を動かすのか。

世界王者だった小國ではなく、もう一度世界を狙っている現在の小國に注目したい。


まとめ|小國以載は再び世界へ近づけるか

小國以載vsアレックス・サンティシマ。

ベルトが懸かった試合ではない。

それでも、現在の小國にとって意味の大きい10ラウンドだ。

4月には元世界王者タパレスを破り、世界ランキングへ復帰。

その次戦で、13勝7KOの26歳・サンティシマを迎える。

小國が持つ独特なリズム。

基本に忠実なジャブ。

抜群の距離感。

そして、見た目以上に相手を効かせるボディ。

それらをサンティシマ相手にも発揮できるのか。

世界へつなげるための一戦。

8月16日のメインイベントは、「元世界王者・小國以載」ではなく、もう一度世界へ向かう小國以載を見たい。

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この記事を書いた人

元プロボクサー。
自身のリングでの経験をもとに、ボクシングの試合結果や注目選手の解説や戦評を行っています。
主に後楽園ホールの興行を中心に、一応元プロの目線から勝敗を分けたポイントや技術的な見どころを徹底解説中。

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